離婚原因が相手の高次脳機能障害だった場合はできますか?

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相手が高次脳機能障害になったことから、

・高次脳機能障害の夫との介護に疲れたけれども、離婚はできない?
・離婚しても、子どもの養育費は貰えるの?
と悩んでいる方が解決できるブログになっています。

この記事「離婚原因が相手の高次脳機能障害だった場合はできますか?」を読むと、高次脳機能障害者との離婚や養育費の状況が分かります。

なぜなら、筆者が高次脳機能障害の元夫と離婚調停で成立し、離婚することができたからです。




高次脳機能障害は目に見ない障害の一つ

高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を言います。

損傷された脳の部位によりますが、注意が散漫になる、怒りっぽくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、気分の浮き沈みが激しい などといった症状です。

この高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故で入院したときはあまり分からず、退院後に社会生活に戻って初めて問題が顕在化することがあります。
そのことから「見えない障害、隠れた障害」などと言われています。

離婚原因が高次脳機能障害の場合でも合意があればできる

高次脳機能障害になった配偶者でも離婚はできる

離婚原因が配偶者が高次脳機能障害になったことでも、双方の合意があれば離婚することは可能です。
相手の意思判断ができれば通常の離婚と変わらずできるので、まずは協議離婚から始まります。そして、合意ができなければ離婚調停、裁判と進みます。

調停や裁判では相手の高次脳機能障害では離婚が認められづらい

当事者が離婚を望んていても、高次脳機能障害の配偶者が離婚を望んでいなければ別れることはできません。そして、離婚調停や裁判をしても認められることが非常に難しいです。

なぜなら、法律で認められる離婚原因5つのうちに該当する項目がないからです。

  1. 不貞
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

重度の高次脳機能障害であれば、4の「配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと」に当てはまりますが、意思疎通ができれば当てはまりません。

そのことから、法的理由内で離婚を認めてもらう方法は、5の「婚姻を継続し難い重大な事由」しかありません。

ただし、この「婚姻を継続し難い重大な事由」で離婚を進めていとなると、主に4つの条件を満たすようにしなければなりません。
なお、この条件は、うつ病などの精神病の方との離婚も同じです。

  1. 医師の診断
  2. 長期的な治療
  3. 献身的な看病
  4. 離婚したとき、患った方の経済状況

結婚は、基本、夫婦は助け合っていくことが義務となっています。
そのため、法で認めてもう貯めには、助け合っていくことが困難であり、夫婦として生活していくことが難しいという状態を締め示さなければなりません。

なお、精神病の配偶者との離婚は、「精神病の配偶者との離婚を考えたとき」をご覧ください。

体験談 元夫と義理の家族から離婚を望まれたので離婚は可能

筆者と高次脳機能障害になった元夫が離婚できたのは、元夫が義理の両親に離婚したいことを告げ、そして義両親から筆者に離婚を勧めたことから、離婚ができました。

それでも、中度の失語症や気分の浮き沈みが激しかったこともあり、話し合いや離婚協議書を一緒に作ることは難しく、離婚調停から始めました。

相手の意志が分からないときは離婚がしやすくなる

相手が高次脳機能障害で意思能力が十分でない場合は、離婚できる確率が高くなります。

しかし、その時には、その障害を持った方に成年後見人(せいねんこうけんにん)をつける必要があります。
この成年後見人は判断能力が不十分と考えられる者を補佐する者のことを言います。法律上では、財産に関する全てのことをすることになります。

成年後見人は、家庭裁判所で審判で決まります。多くの方が相手の親、兄弟がなっています。

そして、決まった後、離婚へという流れになり、成年後見人が相手に代わって離婚に関する取り決めします。

高次脳機能障害者との離婚は養育費がない可能性がある

養育費は子供のため

基本、夫婦の間に子どもがいる方は、子どもを育てる側に養育費を払う必要がでてきます。
また、相手に不貞があった場合は慰謝料を受け取ることができます。

しかし、高次脳機能障害者で仕事の復職の目処が立たない場合は、子どもが成人するまで毎月の養育費や分割した慰謝料の支払いは困難なので取り決めすることがしづらいです。
また、その場は支払い約束しても、仕事の続けているか保証がありません。

そのため、離婚する前に少しでも多く財産を貯めておくようにしてください。
子どもがいる方は、離婚後の生活負担を減らすためにも、どのように離婚へ進めていけばいいか、早めに弁護士に相談しましょう。

体験談 元夫の共有財産から養育費を充てる方法

離婚調停を申立てしたときは、高次脳機能障害の元夫の復職の目処が立っていないため、共同財産を一度折半し、元夫の財産から数年分の養育費を充てる方法を筆者の弁護士が提示しました。

筆者自身は養育費に全て充てて欲しかったのですが、それでは元夫の今後の生活を配慮され、できませんでした。

調停を始めて5回目ほどになると、元夫の復職の目処がたってきたため、数年分の養育費の一括払いに加えて、成人になるまでの毎月の支払われる養育費をお願いしました。

結局、障害者になったことから給料が下がるという計算で一括と分割の養育費の金額が取り決まりました。
ただし、あくまで調停していたときの時点のため、その後、元夫が仕事を辞めていた場合は、分割で支払う養育費の受け取りは厳しい状況です。

なお、義両親のモラハラが離婚原因の一つにもなりましたが、離婚調停はあくまで夫婦のことでしたので、精神的苦痛に対する慰謝料を請求することはできませんでした。

高次脳機能障害の相手との離婚は弁護士に相談しよう

高次脳機能障害になった相手との離婚は

  • 双方の合意があれば離婚ができる
  • 意思疎通ができない相手であれば成年後見人をつけもらえれば離婚できる
  • 養育費の支払いは先が読めないため厳しい

この3つを頭に入れておけば、離婚や養育費のことが分かり、離婚後の状況が掴みやすくなります。

また、障害が絡んでくるので金銭面では複雑になる可能性があります。そのため、さまざまな弁護士に相談し、自分にとって一番有利になる方法を見つけるようにしましょう。

では、次は「離婚で弁護士との相談で有効にする方法」に目を通しましょう。知っておいて損はしない情報です。

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