もやもや病の診断から治療と医療費の助成までの体験まとめ

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もやもや病となると、

・検査や治療はどのような方法があるの?
・医療費の助成はあるの?
と疑問を持った方が解決できるブログになっています。
この記事「もやもや病の診断から治療と医療費の助成までの体験まとめ」を読むと、もやもや病のことをより分かるようになります。なぜなら、筆者が元夫がもやもや病で色々調べながら介護をしたからです。




もやもや病とは日本で最初に発見された難病

もやもや病とは脳に血液を送る血管が徐々に詰まってしまい、脳の血液不足や出血を起こす病気のことです。正式にはウィリス動脈輪閉塞症と言います。

この病気は1950年代に日本で見つかり、脳血管造影写真ではたばこの煙のように「もやもや」と見えたことから名付けられたと言われています。

この病気は歌手の徳永英明さんが公表したことやフジテレビの月9「監察医 朝顔」で取り上げられたりして、多くの方が認知するようになったきた難病です。

もやもや病はアジア圏中心女性に多い傾向がある

国立研究開発法人国立循環器病研究センターによると、日本では現在、約16,000人がもやもや病と診断されています。男女比でいうと、男女比は1対1.8で女性が多いです。

この病気には発症時期に特徴があり、5歳前後の小児期と30~40歳頃が増える傾向があります。

また、もやもや病は東アジア、とくに黄色人種に多い病気ですが、逆に欧米人は非常に少ないです。
同じ人口当たりにして比べてみたところ、アメリカでは日本の約35分の1、ヨーロッパでは約10分の1の患者だったと言われています。

もやもや病は家族に遺伝にする確率は全体の約10%

病気の原因はまだ解明されていません。
最近の研究では、もやもや病患者さんに病気の症状がおこるメカニズムや、ある特定の遺伝子を持つ方に発症し易い傾向があることまでは明らかにされています。

遺伝による発症は家族内の場合は10〜12%程度と言われていますが、必ず発症するとは限りません。
ただ家族内発症を高頻度に起こしている家系があることが知られています。

Twiiterで情報を集めていたところ、父親がもやもや病で3人の子どもがいるご家庭の場合は1人がもやもや病だったというツィートを見かけました。

もやもや病の症状には虚血型と出血型の2つのタイプがある

もやもや病の主な症状は2つあります。

  • 虚血型
  • 出血型

もやもや病の虚血型は脳への血流不足で発作が起こる

もやもや血管はとても細い血管なので、脳の血流不足を起こしやすくなります。脳の血流不足によって体に主なような症状が現れます。

  • 手足がしびれる
  • 力が入らなくなる
  • 言葉が出にくくなる
  • 理解しにくくなる など

このような症状は数分から数十分続きますが、時間が経つと治まります。これを一過性脳虚血発作と呼ばれています。

この一過性脳虚血発作を引き起こす原因は、以下のような動作と言われています。

  • 泣く
  • 吹奏楽器を吹く
  • 運動
  • 熱い食べ物を冷ますために吹く行為
  • 風船を膨らます など

もやもや病が進行していくと、突然脳梗塞を起こすことがあります。脳梗塞になると、手足の麻痺や記憶障害、失語症など後遺症が残ることがあります。

この虚血型は子どもが多く、小学校入学前後の高いピークと言われています。

もやもや病の出血型は大人がピークの形で発症する

もやもや血管が破れて出血することで発症するタイプです。
症状は出血部位によっても異なりますが、激しい頭痛や意識障害、手足の麻痺、言語障害などが起こることがあります。いわゆる脳出血と同じ症状です。

後遺症が残ることがあり、重いと高次脳機能障害になります。また出血が酷い場合は生命に関わります。

出血型にもピークがあり、40代前後が多いと言われています。

元夫も40代前半でもやもや病の出血型と分かりました。きっかけはお酒を1口飲んだら大きな頭痛があり、そのまま倒れました。
約6時間後に筆者が失禁と意識障害があることで救急車に運ばれ、造影検査でもやもや病が原因による被殻出血でした。

もやもや病だったことから出血した血をすべて取り除くことはできないうえ、被殻で出血し、倒れてから時間が経っていたので重度の後遺症を残し意識を取り戻りました。

倒れてから半年後には高次脳機能障害と診断されています。

ただ年齢が若かったことから座ることさえも不可能だった体を約4か月のリハビリで日常生活ができるように戻りました。
言語も犬の絵札を見せても言えませんでしたが、小学校1年生ぐらいまでには戻りました。ひらがなと接続詞、数字は難しく、言い間違いはある状態です。
あとは集中力が続かなかったり、逆にテレビに夢中になると声をかけても聞こえなくなったり、1日中体の右側が痺れている状態が続くという後遺症が残りました。また、うつ病も発症しました。

もやもや病の診断はMRIで行い治療は薬や手術で予防

もやもや病の診断は主に脳神経外科で検査されます。診断後も定期的に検査を行い、脳血管の状態を検査していきます。

もやもや病の治療が可能な病院は大きな病院や大学病院であれば対応してもらえます。また、もやもや病を専門とした外来もあり、有名な病院は以下になります。

京都大学では2016年1月より「もやもや病支援センター」が開設され、学習や高次脳機能障害、妊娠や分娩、医療費助成制度などの相談することができるようになりました。

もやもや病の診断はMRIなどを使って検査する

もやもや病の診断は主にMRI、脳血管撮影などで診断されます。もやもや血管はとても細いのでうまく映し出されないことがあるので、確定診断のために脳血管撮影が行われることが多いです

元夫の場合は脳失血していたので、救急に運ばれてからはCTでどこを出血しているか確認し、血を取り除くために血管に問題がないか確認をするために造影検査をしたところ、はっきりともやもやした血管が映ったので、もやもや病と診断されました。

もやもや病の虚血型の治療は薬とバイパス手術で予防する

もやもや病の治療は、虚血型の場合は抗血小板剤を飲みます。この薬は血液をサラサラにするので、血液の流れをスムーズにして一過性虚血発作を予防します。

薬以外には、頭皮の血管などを使って血液の通り道を新しく作るバイパス手術があります。
新しい道を作ることで血液が脳へ送られることを増やすことができます。なので、一過性脳虚血発作などの症状を改善させ、今後の脳梗塞のリスクを減らす効果が期待できます。

ただし、抗血小板剤の効果に限界があるので一過性脳虚血発作を繰り返したり、精密検査で脳の血流不足が見られた場合はバイパス手術を行うことを医師から勧められます。
手術は2種類あり、直接バイパス手術と間接バイパス手術になります。

もやもや病の出血型は直接バイパス手術で再出血の予防へ

脳出血した時にもやもや病ということに気づくことが多いため、まずは出血後は血圧を上がりすぎないようにしながら点滴治療を行ったり、止血したり、出血した血液を摘出したりする手術などを行います。

ただし、一度出血すると再発リスクが割と高く年間で約7%の可能性と結果が出ており、5年間で3人に1人が再出血を起こすといわれています。

最近では、出血後にバイパス手術をすると再出血を予防する効果もあることが分かっています。
バイパス手術をした人はしていない人に比べて、再出血のリスクが約1/3に減少しているので、出血した人にも直接バイパス手術を医師から推奨されます。

筆者の元夫も脳出血の止血と一部取り除く手術をした後に、右と左にもやもや血管があったので、直接バイパス手術を2回行いました。初めは出血した左側を行い、頭の症状が安定した1か月後に残りの右側を行いました。

1回の手術は7時間ぐらいかかっていました。

ちなみにバイパス手術をする前は元夫が脳出血をやったこともあり、脳への血流があまりよくなく、前頭葉に影響があり怒った時に感情のセーブできないことがただありません。

バイパス手術後は怒る回数が減り、血流がよくなったのかと目に分かるほどでした。

もやもや病は医療費の助成や見舞金を受けることができる

もやもや病と医師から診断された場合は、診察費や薬剤、介護が必要な人は訪問介護などの介護費などの助成制度を受けることができます。これを特定医療費助成制度と呼ばれています。

特定医療費助成制度は指定された難病で都道府県・指定都市から指定を受けた指定病院に限り助成を受けれます。大きな病院の場合はほぼこの制度を利用できます。

なお、指定病院は難病情報センターより確認ができます。

もやもや病の医療費の助成は所得で自己負担額が変わる

特定医療費助成制度はご自身の所得で自己負担額が変わります。

階層区分の基準 自己負担上限額
一般 高額かつ長期
人工呼吸器
などの装着者
生活保護
低所得者1 市町村民税
非課税
(世帯)
本人年収が
80万円以内
2,500 2,500 1,000
低所得者2 本人年収が
80万円以上
5,000 5,000
一般所得1 市民税課税以上7.1万未満
(約160~370万円)
10,000 5,000
一般所得2 市民税課税以上7.1万未満
(約370~810万円)
20,000 10,000
上位所得 市民税課税以上25.1万円以上
(約810万円以上)
30,000 20,000

高額かつ長期は月ごとの医療費が5万を超え、年間6回以上が該当します。また、入院時の食費は階層区分関係なく、全額自己負担です。

難病の医療費助成制度はお住いの役所で申請できる

難病の医療費助成制度を受けるには、お住まいの役所の担当窓口で申請することができます。必要な持ち物は主に6つです。

  1. 特定医療費支給認定申請書
  2. 3か月以内の診断書
  3. 世帯全員の続柄が分かる3か月以内の住民票
  4. 臨床調査個人票の研究利用に関する同意書
  5. 同意書
  6. 保険証、市民税・県民税所得課税証明書

特定医療費支給認定申請書と診断書は住んでいる都道府県の自治体のホームページからダウンロードができます。

以下のサンプルは東京都の特定医療費支給認定申請書になりますが、記載する内容はどの都道府県の申請書でもほぼ同様になります。

特定医療費支給認定申請書などの必要な書類を市町村の役所へ申請した後は、申請した都道府県の審査会で公費負担の承認するか決定されます。
そのため、申請者の手元に通知されるまで3か月程かかります。

また、医療費助成は毎年、継続の手続が必要で、毎回申請するたびに審査会で承認・不承認が決定されます。

もやもや病は難病の見舞金が自治体によって給付される

難病と診断されると、住まいの市町村から見舞金が支給されます。これを特定疾患患者見舞金と言われています。自治体よって給付条件が異なり、所得制限などがあります。

見舞金は半年や1年単位で振り込まれたりし、平均2~3万円ほどで月額だと2,500円ほどになります。

もやもや病の見舞金の申請に必要な持ち物は以下になります。

  1. 特定医療費受給者証等あるいは診断書
  2. 本人名義の預金通帳

このほかに保険証の写しや印鑑、申請年度の所得課税証明書が必要なところもありますので、申請する前に担当窓口に問い合わせてください。

もやもや病は健康的な生活をすることも予防につながる

もやもや病は

  • 日本人に多い難病
  • 虚血型と出血型で治療方法が異なる
  • 診断後は医療費の補助を受けることができる

この3つを押さえておきましょう。

もやもや病は完治することはまだできませんが、薬やバイパス手術、そして健康的な生活を送るようにすれば日常生活に支障なく過ごせます。

元夫が脳出血しリハビリしていた病院の先生からは、パチンコや飲酒、喫煙、不規則な生活をなくすよう指導がありました。

なので、ギャンブルやお酒、タバコをやめ、職場復帰したときは残業もなく不規則な勤務スタイルがない部署へ異動となりました。

ちなみに元夫は高次脳機能障害がありますが、大きな企業だったのでなんとか職場復帰はできてるようです。失語症が中程度残っているので電話応答も難しく、単純作業の仕事をしているようです。

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