自己愛性人格障害を知るとなると、
・やっぱり親からの愛情不足がなる障害?
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自己愛性人格障害の原因はこの3つ
現在、自己愛性人格障害のはっきりとした原因は解明されていません。
しかし、いろいろな説がありますが、2つの説が強いです。
自己愛性人格障害になる原因1 環境が影響してなる!
精神科医のオットー・カーンバーグの説になります。この方は自己愛病理に関する精神分析理論によって非常に広く知られています。
オット・カーンバーグ氏によると、生まれながらにもっている気質的な素因に、環境的な影響が加わって不健康な自己が形成されていくとしています。
- 生まれながらに持っている気質的な素因
もともとの生まれ持った性格が攻撃的で、動性が高い、羨望の念が強いといったタイプが要注意になります。↓ - 理想の自己が作られていく
認めたくない自分の欠点は他人に投影し、理想の自己を内面に育てていきます。↓ - 特別な子供として育っていく
高い資質や才能は、他人との関わりを必要としないでいられる逃げ場になります。↓ - 自己愛性人格障害になる
過度に自己中心的で特別扱いされることを当然視します。他人の評価を著しく気にしたり、他人に攻撃的になりやすくなります。
ただし、同じ環境下にある子供がすべてなるわけではありません。
生まれ持った性格が重要になり、攻撃的な性格で自分に注目を集めたいと思っている子供でも、環境に留意することで自己愛性人格障害を未然に防ぐことができます。
自己愛性人格障害になる原因2 幼少期に得られなかった物を探している
持って生まれた性格より、家庭環境など後天的な要因によって自己愛性人格障害は生まれるという説もあります。
その原因は、幼い未熟な自己愛を満たす共感を得られなかったために、自己愛の成熟が阻まれたことであろうと、精神科医のハインツ・コフートは見解しています。
たとえば、子どもは自分のしたことを見てほしくて、誇らしげに振り返り、親や身近な人に伝えてきます。
そのときに、身近にいる人は子どもに「すごい!」などと言った称賛を送ったり、受け止めたりします。これを共感といいます。
もともと子供のは「何でもできる!」「こんなにできる!」といった自己顕示的で誇大な自己愛があります。
この自己愛を親や身近な人が共感を得ることで、子供の自信に繋がり、健康的な方向へ成熟し変化していきます。
しかし、乳児・幼児期に幼い自己愛を満たしてくれるような共感が得られ無かった場合は、本来子供が持っている自己愛は未熟なまま発達が止まります。
そして不健康な自己愛になり、結果、自己愛性人格障害になってしまいます。
このように後天的なものが原因で自己愛性人格障害になった場合は、幼い頃に満たされなかった気持ちを癒します。
そうして、不健全な自己愛を健全な自己愛に作り変えいこうとして、症状はおさまることがあります。
自己愛性人格障害になる原因3 脳内の物質が不足している!
自己愛性人格障害の原因として、脳内の神経伝達物質の過不足とする説があります。
神経伝達物質は、脳内の情報伝達に介在する物質です。
快感を高めたり、逆に不安感を引き起こしたりと、それぞれ異なった役割を持っており、神経伝達物質の種類や量、バランスなどによって人間の感情が左右されています。
主に神経伝達物質は3つです。
- 神経を興奮させ、不安や恐怖を引き起こす主に「ノルアドレナリン」
- やる気を起こし気持ちを明るくさせる「セロトニン」
- 覚醒や陶酔感、快楽などのもとで攻撃性、創造性などを高める「ドーパミン」
では、アメリカの精神科医ロバート・クロニンジャー氏は、7次元の人格モデルを想定し、それをさらに2つのグループに分けて分析をしました。
※報酬依存性はノルアドレナリン、損害回避性はセロトニン、新奇追求性はドーパミンが関係している。
この表の中から自己愛性人格障害に当てはまる方は、損害回避性、協調性、自己指向性が低く、自己超越性が高いとなっています。
そして、この4つに該当する役割をしている神経伝達物質が過不足していると推測されています。
自己愛性人格障害になる原因は脳と心への影響からが強い
自己愛性人格障害になる原因は、
- 幼児期に育った環境
- 親からの偏った愛情や母愛不足
- 脳にある神経伝達物質が不足している
この3つを知っておくと、自己愛性人格障害になる要因を押さえることができます。
では、次はコチラを目に通しましょう。知っておいて損はしない情報です。